翻訳・通訳のトビラへの寄稿記事(第4回)
前回の記事で紹介したマクロはどうでしたか?ショートカットキーからWordマクロを実行することが翻訳者の仕事にもたらす効果を実感していただけたと思います。
さて、今回の記事のテーマは、「感覚的なうれしさを得るための作業」の自動化です。私は、この「感覚的なうれしさ」が非常に重要だと感じています。翻訳者は一日中パソコンに向かうわけですから、このときに感じるポジティブな感覚をできるだけ多くすることも、仕事の効率や品質アップにつながると思っています。もし、私たちがなんらかの違和感をもったときに、それをキーボード上で解消できるようになれば、仕事中の気分に変化が出るでしょう。
実際、私たちは、そのような「感覚」に基づく作業を日常的に実施していると思います。それは、椅子に座り直す動作を繰り返すような無意識の作業なので、気づいていないだけかもしれません。今回ご紹介するマクロは、この「感覚的なうれしさ」を大切にしたものです。今まで気づいていなかった心地よさを発見してみてください。
では、具体的な私の作業をご紹介します。
私は、文章を書くときや翻訳をするとき、表示モードを「Webレイアウトモード」にしています。この表示モードでは、ウィンドウのサイズに合わせて、文字列の折り返される位置が自動で調整されます。よって、表示倍率を上げても画面からはみ出して隠れてしまう文字がなくなります。私が翻訳をする分野では、全体のレイアウトはあまり重要ではありません。むしろ私にとっては、画面上で文字が大きく表示されることが重要なため、この表示モードを使用しています。また、ある程度翻訳を進めたときに進捗度合いを確認するときに「印刷レイアウトモード」で表示倍率を下げて複数ページを一画面に表示して全体像を確認します。また、蛍光ペンや囲み線でマーキングしたキーワードの分布を確認する時にも同様の表示モードにします。
そして、その時の気分や使うパソコンのディスプレイの大きさによって表示倍率(画面上に見える文字の大きさ)の調整をします。常に大きな文字を表示させて文字入力をしています。小さな文字を凝視する必要がなくなるため目の疲労が減ると思います。
実のところ、上記の表示モードの切替えや表示倍率の調整Wordの機能そのものなので、マウス操作で実行できます。ところが、マクロにすれば設定変更は一瞬です。確認する作業をするための表示モードの切替えの手間が減るので、確認作業をより頻繁にできるようになります。これはマクロがもたらす仕事フローのプチ改革とも言えるでしょう。これもショートカットキーとして特定のキー操作で実行します。
次は、行間や余白を調整するWordマクロです。作成した書類が特定のページ数に収まらず、余白を微調整したことがある方は案外多いのではないでしょうか。やはり見た目は大切です。
余白を調整するには、ページ設定のダイアログボックスで余白の項目に具体的な数値を入力するという方法がありますが、ルーラーのつまみを操作して余白を調整される方もいらっしゃると思います。ルーラーで調整する場合、左側の余白調整が曲者ですよね。経験されたことがあるのであればご理解いただけると思いますが、余白調整のための「つまみ部分」をマウスで選択するのは非常に難しいです。ルーラー上には、「1行目のインデント」と「ぶら下げインデント」とに重なり隠れるように「左余白のつまみ部分」があるため、正確に「左余白のつまみ部分」をつまむことが難しいのです。マウスの位置をミリ単位で移動させてこの「つまみ部分」をつまんだご経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そして、その後、右側の余白も同じように変更し、左右の余白バランスにあわせて上下の余白も調整します。これは、私自身がよく行う調整手順です。私はこのような操作が大変煩わしいと感じていたので、マクロにしました。
また、同様に、特定のページ数におさまらない場合、ページ内に表示できる行数の調整をします。行数は、「ページ設定」ダイアログボックスと「段落設定」ダイアログボックスでそれぞれ変更できるため相互の理解が難しく、Wordの操作の中でもわかりにくい部分だと思います。今回のマクロで設定できるのは、ページの行数です。段落設定のページ数は、ページの行数を基準にしていますから連動します。
今回紹介するマクロ「新田のマクロ(その参)」を使うと、上下左右の余白の調整と行間の調整によって、ちょうどよくページ内に納めるポイントが見つかります。このすっきり感をぜひご体験ください。さらに、行数や余白の調整で、印刷枚数が減りますので、その点でもうれしいですね。
このような無理なく作業に集中できる空間を作ることも私にとってはチューニングの一つです。Wordのチューニングによる心地よい作業空間をお楽しみください。
(参考:配付マクロ)
Webレイアウト
印刷レイアウト_1ページ
印刷レイアウト_2ページ
印刷レイアウト_3ページ
表示倍率の増加
表示倍率の低下
行数増加
行数低下
左右余白増加
左右余白低下
上下余白増加
上下余白低下
翻訳・通訳のトビラ 第4回「心地よい作業空間」
「新田のマクロ(その参)」のダウンロード (無料アドインのダウンロード)
~目次~
第1回 Wordマクロって何?
第2回 マクロに切替えるポイント
第3回 気づいた瞬間に目がキラリ!
第4回 心地よい作業空間
第5回 翻訳に活用できる 「本格派」マクロをご紹介!
第6回 マクロは続くよ、どこまでも!
~関連ブログ記事~
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さて、今回の記事のテーマは、「感覚的なうれしさを得るための作業」の自動化です。私は、この「感覚的なうれしさ」が非常に重要だと感じています。翻訳者は一日中パソコンに向かうわけですから、このときに感じるポジティブな感覚をできるだけ多くすることも、仕事の効率や品質アップにつながると思っています。もし、私たちがなんらかの違和感をもったときに、それをキーボード上で解消できるようになれば、仕事中の気分に変化が出るでしょう。
実際、私たちは、そのような「感覚」に基づく作業を日常的に実施していると思います。それは、椅子に座り直す動作を繰り返すような無意識の作業なので、気づいていないだけかもしれません。今回ご紹介するマクロは、この「感覚的なうれしさ」を大切にしたものです。今まで気づいていなかった心地よさを発見してみてください。
では、具体的な私の作業をご紹介します。
私は、文章を書くときや翻訳をするとき、表示モードを「Webレイアウトモード」にしています。この表示モードでは、ウィンドウのサイズに合わせて、文字列の折り返される位置が自動で調整されます。よって、表示倍率を上げても画面からはみ出して隠れてしまう文字がなくなります。私が翻訳をする分野では、全体のレイアウトはあまり重要ではありません。むしろ私にとっては、画面上で文字が大きく表示されることが重要なため、この表示モードを使用しています。また、ある程度翻訳を進めたときに進捗度合いを確認するときに「印刷レイアウトモード」で表示倍率を下げて複数ページを一画面に表示して全体像を確認します。また、蛍光ペンや囲み線でマーキングしたキーワードの分布を確認する時にも同様の表示モードにします。
そして、その時の気分や使うパソコンのディスプレイの大きさによって表示倍率(画面上に見える文字の大きさ)の調整をします。常に大きな文字を表示させて文字入力をしています。小さな文字を凝視する必要がなくなるため目の疲労が減ると思います。
実のところ、上記の表示モードの切替えや表示倍率の調整Wordの機能そのものなので、マウス操作で実行できます。ところが、マクロにすれば設定変更は一瞬です。確認する作業をするための表示モードの切替えの手間が減るので、確認作業をより頻繁にできるようになります。これはマクロがもたらす仕事フローのプチ改革とも言えるでしょう。これもショートカットキーとして特定のキー操作で実行します。
次は、行間や余白を調整するWordマクロです。作成した書類が特定のページ数に収まらず、余白を微調整したことがある方は案外多いのではないでしょうか。やはり見た目は大切です。
余白を調整するには、ページ設定のダイアログボックスで余白の項目に具体的な数値を入力するという方法がありますが、ルーラーのつまみを操作して余白を調整される方もいらっしゃると思います。ルーラーで調整する場合、左側の余白調整が曲者ですよね。経験されたことがあるのであればご理解いただけると思いますが、余白調整のための「つまみ部分」をマウスで選択するのは非常に難しいです。ルーラー上には、「1行目のインデント」と「ぶら下げインデント」とに重なり隠れるように「左余白のつまみ部分」があるため、正確に「左余白のつまみ部分」をつまむことが難しいのです。マウスの位置をミリ単位で移動させてこの「つまみ部分」をつまんだご経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そして、その後、右側の余白も同じように変更し、左右の余白バランスにあわせて上下の余白も調整します。これは、私自身がよく行う調整手順です。私はこのような操作が大変煩わしいと感じていたので、マクロにしました。
また、同様に、特定のページ数におさまらない場合、ページ内に表示できる行数の調整をします。行数は、「ページ設定」ダイアログボックスと「段落設定」ダイアログボックスでそれぞれ変更できるため相互の理解が難しく、Wordの操作の中でもわかりにくい部分だと思います。今回のマクロで設定できるのは、ページの行数です。段落設定のページ数は、ページの行数を基準にしていますから連動します。
今回紹介するマクロ「新田のマクロ(その参)」を使うと、上下左右の余白の調整と行間の調整によって、ちょうどよくページ内に納めるポイントが見つかります。このすっきり感をぜひご体験ください。さらに、行数や余白の調整で、印刷枚数が減りますので、その点でもうれしいですね。
このような無理なく作業に集中できる空間を作ることも私にとってはチューニングの一つです。Wordのチューニングによる心地よい作業空間をお楽しみください。
(参考:配付マクロ)
Webレイアウト
印刷レイアウト_1ページ
印刷レイアウト_2ページ
印刷レイアウト_3ページ
表示倍率の増加
表示倍率の低下
行数増加
行数低下
左右余白増加
左右余白低下
上下余白増加
上下余白低下
翻訳・通訳のトビラ 第4回「心地よい作業空間」
「新田のマクロ(その参)」のダウンロード (無料アドインのダウンロード)
~目次~
第1回 Wordマクロって何?
第2回 マクロに切替えるポイント
第3回 気づいた瞬間に目がキラリ!
第4回 心地よい作業空間
第5回 翻訳に活用できる 「本格派」マクロをご紹介!
第6回 マクロは続くよ、どこまでも!
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