翻訳・通訳のトビラへの寄稿記事(第2回)
それでは、実際に私たち翻訳者がマクロ(自動化)を使える作業には、どのようなものがあるのでしょうか。まずは、どのような「作業」をマクロに任せるのか?という切り口から考えたいと思います。
前回もご紹介したとおり、Wordマクロは翻訳自体をしません。しかし、マクロにより、翻訳者が見積もりの依頼を受けて、翻訳文を納品するまでに必要な作業の一部を自動化できます。そして、その作業は、小さければ小さいほど、Wordマクロに任せやすいですね。私は、4クリックまたはキーボードから手を離してマウスに持ち替えて作業をする2秒くらいが、マクロに任せる基準になると思っています。例えば、「原文と訳文を比較して、抜けがないか、誤訳がないかをチェック」のような作業は、今回のテーマにある「2秒のマクロ」とは違います。これは、一つのソフトウェアがするような作業です。
「2秒のマクロ」を見つけるポイントは、大きな作業をできるだけ小さな単位に分割してみることです。そして、どの部分をマクロに任せられるのかを考えます。Wordの機能を使って対処できる部分もあるでしょう。手作業ですることもあるでしょう。この判断がスムーズになると、Wordマクロを使う楽しみも、目の前の作業を効率化する楽しみも増えてくると思います。
今回は、マクロをどのように活用できるのか具体的な事例で紹介いたします。マクロを使う切り口(視点)はいくつかあると思います。まずは、「品質を高めるための作業」に関連するマクロをご紹介します。
導入してすぐにうれしさを実感できるものとして、Wordからオンライン辞書の検索マクロがあります。代表的なオンライン辞書は、もちろんみなさんがご利用になっている「英辞郎」ですね。Google検索も便利ですよね。マクロを使うと、Wordの文章中で選択した文字列を、「英辞郎」で検索して、その検索結果を表示することができます。今回はこのマクロ含め、パッケージしたものをみなさんにプレゼントします。ダウンロード方法は、この記事の最後をご覧ください。
私は、この種の作業は「品質を高めるための作業」だと思っています。手持ちの専門辞書に書かれていない用語や表現を訳すことってよくありますよね。そのような時に役立つのが、オンライン辞書やGoogleなどの検索サイトだと思います。この「調べてみる」という繰り返し作業のハードルを下げるのが、オンライン辞書の検索自動化マクロだと思うのです。
私にとっては、マクロのおかげで「もう一手間かけて調べること」がしやすくなりました。「用語をコピペしてブラウザで検索する」という作業はたった数秒です。でも、面倒になって調べ直す気にならないこともありますよね。これが、キーボードの特定のキーを押したら自動で検索して結果を表示できるのであれば、どうでしょうか。面倒と感じる前に、調べる作業を一歩進めることができると思います。
文書の内容把握やNGワードのチェックでも、同じことが考えられます。私は、受注直後に文書の重要点がどのあたりにあるのかを蛍光ペンや囲み線でマーキングして確認しています。文書の情報を可視化するわけです。これは、「検索と置換」ダイアログボックスを活用すればできることなのですが、その設定が面倒なんですよね。こうやって、面倒だなと思うところを、少しずつ自動化してマクロを作ってきました。マクロにすると、キーワードを入力するだけで、本文中のその語句をマーキングできるのです。
私は、このようなプラスアルファの小さな作業の積み重ねが、翻訳の品質を高めていく一歩だと思っています。今回ご提供するマクロ「新田のマクロ(その壱)」には、上記の作業を自動化するマクロをパッケージしました。インストール方法の解説もさせていただいております。
・Web検索(英辞郎、Google、Weblio)
・キーワードのマーキング(蛍光ペン、囲み線、)
・マーキングの解除(蛍光ペン、囲み線)
これらマクロは、Word文書に添付されるわけではありません。Wordのアドインとしてご利用いただきます。「アドイン」とは、Word自身の機能を追加するプログラムのことです。文書自体にマクロを追加するのではなく、Wordに機能を追加してどの文書でも使えるようにします。よって、マクロを使って処理をしたWord文書を納品してもマクロが先方に送られることはありません。また、アドインのウィルスチェックもしてあります。安心してご利用ください。
特に、Web検索用のマクロはキーボードに割り当てて、1日に何度もご利用いただきたいですね。次回の記事で、キーボードに割り当てる方法をご紹介したいと思います。思い立ったときにすぐにマクロを使う楽しみをご体験いただくまで、もう少しお待ちください。
翻訳・通訳のトビラ 第2回「マクロに切替えるポイント」
「新田のマクロ(その壱)」のダウンロード (無料アドインのダウンロード)
対象OS: Windows XP, Windows Vista, Windows 7
対象Word: Word 2000/2002/2003/2007/2010
アドインのインストール方法(動画解説)
アドインインストール時にボタンが表示されない場合の対処(動画解説)
~目次~
第1回 Wordマクロって何?
第2回 マクロに切替えるポイント
第3回 気づいた瞬間に目がキラリ!
第4回 心地よい作業空間
第5回 翻訳に活用できる 「本格派」マクロをご紹介!
第6回 マクロは続くよ、どこまでも!
~関連ブログ記事~
翻訳・通訳のトビラ フォロー記事一覧
前回もご紹介したとおり、Wordマクロは翻訳自体をしません。しかし、マクロにより、翻訳者が見積もりの依頼を受けて、翻訳文を納品するまでに必要な作業の一部を自動化できます。そして、その作業は、小さければ小さいほど、Wordマクロに任せやすいですね。私は、4クリックまたはキーボードから手を離してマウスに持ち替えて作業をする2秒くらいが、マクロに任せる基準になると思っています。例えば、「原文と訳文を比較して、抜けがないか、誤訳がないかをチェック」のような作業は、今回のテーマにある「2秒のマクロ」とは違います。これは、一つのソフトウェアがするような作業です。
「2秒のマクロ」を見つけるポイントは、大きな作業をできるだけ小さな単位に分割してみることです。そして、どの部分をマクロに任せられるのかを考えます。Wordの機能を使って対処できる部分もあるでしょう。手作業ですることもあるでしょう。この判断がスムーズになると、Wordマクロを使う楽しみも、目の前の作業を効率化する楽しみも増えてくると思います。
今回は、マクロをどのように活用できるのか具体的な事例で紹介いたします。マクロを使う切り口(視点)はいくつかあると思います。まずは、「品質を高めるための作業」に関連するマクロをご紹介します。
導入してすぐにうれしさを実感できるものとして、Wordからオンライン辞書の検索マクロがあります。代表的なオンライン辞書は、もちろんみなさんがご利用になっている「英辞郎」ですね。Google検索も便利ですよね。マクロを使うと、Wordの文章中で選択した文字列を、「英辞郎」で検索して、その検索結果を表示することができます。今回はこのマクロ含め、パッケージしたものをみなさんにプレゼントします。ダウンロード方法は、この記事の最後をご覧ください。
私は、この種の作業は「品質を高めるための作業」だと思っています。手持ちの専門辞書に書かれていない用語や表現を訳すことってよくありますよね。そのような時に役立つのが、オンライン辞書やGoogleなどの検索サイトだと思います。この「調べてみる」という繰り返し作業のハードルを下げるのが、オンライン辞書の検索自動化マクロだと思うのです。
私にとっては、マクロのおかげで「もう一手間かけて調べること」がしやすくなりました。「用語をコピペしてブラウザで検索する」という作業はたった数秒です。でも、面倒になって調べ直す気にならないこともありますよね。これが、キーボードの特定のキーを押したら自動で検索して結果を表示できるのであれば、どうでしょうか。面倒と感じる前に、調べる作業を一歩進めることができると思います。
文書の内容把握やNGワードのチェックでも、同じことが考えられます。私は、受注直後に文書の重要点がどのあたりにあるのかを蛍光ペンや囲み線でマーキングして確認しています。文書の情報を可視化するわけです。これは、「検索と置換」ダイアログボックスを活用すればできることなのですが、その設定が面倒なんですよね。こうやって、面倒だなと思うところを、少しずつ自動化してマクロを作ってきました。マクロにすると、キーワードを入力するだけで、本文中のその語句をマーキングできるのです。
私は、このようなプラスアルファの小さな作業の積み重ねが、翻訳の品質を高めていく一歩だと思っています。今回ご提供するマクロ「新田のマクロ(その壱)」には、上記の作業を自動化するマクロをパッケージしました。インストール方法の解説もさせていただいております。
・Web検索(英辞郎、Google、Weblio)
・キーワードのマーキング(蛍光ペン、囲み線、)
・マーキングの解除(蛍光ペン、囲み線)
これらマクロは、Word文書に添付されるわけではありません。Wordのアドインとしてご利用いただきます。「アドイン」とは、Word自身の機能を追加するプログラムのことです。文書自体にマクロを追加するのではなく、Wordに機能を追加してどの文書でも使えるようにします。よって、マクロを使って処理をしたWord文書を納品してもマクロが先方に送られることはありません。また、アドインのウィルスチェックもしてあります。安心してご利用ください。
特に、Web検索用のマクロはキーボードに割り当てて、1日に何度もご利用いただきたいですね。次回の記事で、キーボードに割り当てる方法をご紹介したいと思います。思い立ったときにすぐにマクロを使う楽しみをご体験いただくまで、もう少しお待ちください。
翻訳・通訳のトビラ 第2回「マクロに切替えるポイント」
「新田のマクロ(その壱)」のダウンロード (無料アドインのダウンロード)
対象OS: Windows XP, Windows Vista, Windows 7
対象Word: Word 2000/2002/2003/2007/2010
アドインのインストール方法(動画解説)
アドインインストール時にボタンが表示されない場合の対処(動画解説)
~目次~
第1回 Wordマクロって何?
第2回 マクロに切替えるポイント
第3回 気づいた瞬間に目がキラリ!
第4回 心地よい作業空間
第5回 翻訳に活用できる 「本格派」マクロをご紹介!
第6回 マクロは続くよ、どこまでも!
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